【社長 Blog】『宝石のプロが伝える大事な話 – ダイヤモンドの情報開示 –』第54回:花珠真珠というマジック
宝石のプロが伝える大事な話「 ダイヤモンドの情報開示 」
【 第54回 】
花珠真珠というマジック
皆さまこんにちは。
福山・広島の宝石専門店「ヴァニラ」代表取締役社長
浜田 佳久(はまだ よしひさ)です。
私は、父が営んできた宝石屋に生まれ、
幼いころから美しいものや美術品、
そしておしゃれが好きな学生時代を過ごしました。
宝石の中では特に、ダイヤモンドと真珠が好きで
これまでの約四十年間のバイヤー経験を通して、
ものの価値や見る目を養って参りました。
今回このようなコラムを書かせていただくに至ったのは、
大きな変革期を迎えているダイヤモンド業界の中で、
正しい知識と情報を発信することが、
皆様の間違いのないダイヤモンドの買い方や
選び方につながると考えるからです。
6月号では真珠の高騰についての内容でしたが、
今号では花珠真珠とは
どういった真珠なのかについて
お話ししたいと思います。
実はこの「花珠真珠」というワードが
なかなか厄介な言葉で、
我々宝飾業界においても
明確な品質の表示ではないことから、
誤解が生じやすいワードとなっています。
花珠真珠と明記されていれば
あたかも最上級品であるかのような印象を与え、
花珠真珠だからすべて安心であるかのような
販売サイドの説明もあって、
花珠でなければ安心して
購入できないなどの
感覚をお持ちの消費者も多くみられます。
購入されるお客様への
説明もされることながら、
花珠真珠の表記の本来の意味を
熟知していながら
販売する宝飾店サイドに、
私は大変な問題があるように思えてなりません。
本来花珠と呼ばれる玉は、
浜揚げの折のごくごく一部の玉にしか
命名されない極上品を
指していることを、
業界人や仕入れバイヤーなら
皆知っているはずで、
業界人にとっては基本の「キ」なのです。
そのごくまれなはずの
花珠がどこの宝飾店に行ってもびっしり並び、
今や花珠オンパレードの状況です。
本来「花珠」と称される玉の、
何千倍、何万倍の量が
巷のショーケースに転がされています。
あってはならないこの不思議さを、
多くの宝飾業界人は
十分理解しております。
理解はしているのですが、
あまりにも簡単にお客様に説明しやすく、
また安心してもらえるので、
本来の真珠の説明ではなく
「花珠」という簡単なワードと
鑑別書によって解決しているのです。
その鑑別書の力に説明力が追いつかなくても
販売できるマジックを、
宝飾業界が利用しているように
思えてなりません。
次回からもこの悪しきマジックについて、
お話しさせていただきます。
株式会社ハマダ宝石時計店
ジュエリーショップ・VANillA(ヴァニラ)
代表取締役社長 浜田 佳久
1949年生まれ。福山市、広島市に店舗を構え、今年で創業74周年を迎える宝石専門店の代表。
約40年もの間、ダイヤモンド、色石、真珠など、数々の宝石のバイヤーとして多くの目利き
をしてきた経験と審美眼を持つ。
【 メディア情報 】
◆ 今回のコラムは、2023年7月1日に発行された
広島圏の情報誌
「 経済リポート・1811号 」に掲載されました。
◆ RCCテレビ「 イマなまっ!」にて、
ヴァニラが出演・紹介されました♪
■ Christie’s(クリスティーズ)取引登録店
■ Sotheby’s(サザビーズ)取引登録店
■ 相続診断士提携店
■ ヴァニラ福山本店
〒 721 – 0973
広島県福山市南蔵王町 2 丁目 10 – 17
営業時間 . 11:00 〜 19:30
定休日 . 火曜日
■ ヴァニラ広島店
〒 730 – 0036
広島県広島市中区袋町 8 – 10
営業時間 . 11:00 〜 19:30
定休日 . 火曜日