VANillA MAGAZINE

【社長 Blog】『宝石のプロが伝える大事な話 – ダイヤモンドの情報開示 –』第58回:花珠真珠というマジック

2024.05.05 #社長のBLOG

広島県広島広島市福山福山市のVANillAヴァニラの宝石のプロが伝える大事な話ダイヤモンドの情報開示

 

宝石のプロが伝える大事な話「 ダイヤモンドの情報開示 」

【 第58回 】

花珠真珠というマジック


皆さまこんにちは。

 

福山・広島の宝石専門店「ヴァニラ」代表取締役社長

浜田 佳久(はまだ よしひさ)です。

 

私は、父が営んできた宝石屋に生まれ、

幼いころから美しいものや美術品、

そしておしゃれが好きな学生時代を過ごしました。

 

宝石の中では特に、ダイヤモンドと真珠が好きで

これまでの約四十年間のバイヤー経験を通して、

ものの価値や見る目を養って参りました。

 

今回このようなコラムを書かせていただくに至ったのは、

大きな変革期を迎えているダイヤモンド業界の中で、

正しい知識と情報を発信することが、

皆様の間違いのないダイヤモンドの買い方や

選び方につながると考えるからです。

 


香港ジュエリーショーの

報告を挟みましたが、

7月号に続き「花珠真珠」の呼称が

不可解な状況になっていることを

深堀りさせていただきます。

 

本来「花珠」とは、

アコヤ真珠養殖場において

年に一度の浜揚げ時に選別された、

ごくわずかな最上級品の珠のことを

指していました。

 

ですから宝飾店のショーケースの中に

花珠ネックレスが何本も並んでいることなど、

本来ならありえない話なのです。

 

ところが国内のとある

真珠鑑定鑑別所が「花珠」という

キーワードに目をつけ、

シミや加工キズなどがないことのみを

確認するだけで「花珠真珠」との

称号を乱発し始めました。

 

この状況に他の鑑別所も追随したので、

鑑定鑑別書に「花珠」との記載があれば

最高品質なのだと販売サイドも

飛びついたというのが真相です。

 

ある意味「パンドラの箱」を

開けてしまったのです。

 

「花珠」をキラーワードとして説明販売し、

お客様は何の疑いもなく

信じてお買い上げになるというのが今、

宝飾店の現場で起きている

ストーリーです。

 

さらに話を複雑にしているのが、

この真珠鑑別鑑定機関にも

上位から下位のランク付けがあり、

業界の中ではっきり区別が

されていることです。

 

しかし販売の現場では

機関のランクなどにおいては

お構いなく「花珠真珠」として販売され、

鑑別機関の優劣の説明もされていないのが現状です。

 

宝飾業界では、

ダイヤモンドと同じく

真珠鑑別鑑定機関にも、

明確に上位・下位の

位置付けが定まっています。

にもかかわらず「花珠真珠」として

すべてごちゃ混ぜに販売されているのです。

 

本来ならば真珠の

一丁目一番地たる「花珠」は

ほんのわずかな量しか

採取されないことを

知っていながら、

日本の卸業者・販売業者は日々、

共同作戦で販売しているのです。

 

 


株式会社ハマダ宝石時計店

ジュエリーショップ・VANillA(ヴァニラ)

代表取締役社長 浜田 佳久

 

 

 

1949年生まれ。福山市、広島市に店舗を構え、今年で創業74周年を迎える宝石専門店の代表。

約40年もの間、ダイヤモンド、色石、真珠など、数々の宝石のバイヤーとして多くの目利き

をしてきた経験と審美眼を持つ。

 


【 メディア情報 】

 

◆ 今回のコラムは、2023年11月1日に発行された

広島圏の情報誌

 「 経済リポート・1823号 」に掲載されました。

 

◆ RCCテレビ「 イマなまっ!」にて、

ヴァニラが出演・紹介されました♪

 


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